本格的な高齢社会を迎え、日本の医療を取り巻く環境にも大きな変化があるそうで、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者に達する2025年は、日本の医療を考えるうえでの節目と位置づけられています。
政府の「平底26年高齢社会白書」によると、総人口に占める後期高齢者の比率は、2010年の確定値は11%余りですが、2025年には約18%にまで跳ね上がると推計されています。
続いて、財政面では高齢化が進めば、国民医療費が増大していきます。
厚生労働省の試算によると、2020年には総医療費が47兆円、後高齢者医療費が19兆円に、2025年には総医療費が52兆円、後期高齢者医療費が24兆円に達する見込みだといいます。
また、生産年齢人口の割合が減っていくため、経済成長率が下がり、税収にも深刻な影響が出そうです。
財政が持続性を失い、膨れ上がる医療費を賄いきれない事態が懸念されています。
こうした中、医療コストの削減と医療サービスの質の向上を同時に追求するために必要となるのが、医療提供のパラダイムシフトです。
これまでは医療の中心は病院だったが、今後は地域を含む社会全体が医療を包括するような形が求められています。
病院から地域へ、治療から予防や健康の維持・増進へという変化は確実に進むと予想されいて、特に、セルフメディケーションや在宅医療といった部分で、調剤薬局、薬剤師が果たす役割が大きくなっていくといわれています。