厚生労働省は2015年10月に、2013年度の国民医療苣が40兆610億円になったことを発表しました。確定値ベースで40兆円を超えたのは初めてのことです。前年度が約39兆り2000億円だったことから、40兆円超えは予測されていたことではあったのですが、あらためて数字を示されると、やはり新しい次元に入ったことを感じさせられます。

その内訳は、医科が約27兆7000億円、歯科が約2兆7000億円、薬局凋剤が約7兆1000億円、訪問看護が約1000億円、療養費等が約5500億円となっています。
1人あたりの国民医療費は31万4700円で、前年度に比べると7200円増えています。年齢別に見ると、65歳未満と65歳以上の片が大きく、65歳未満が17万7700円であるのに対し、65歳以上は72万4500円と、その開きは4倍以上もあります。国民医療費を今目む社会保障費の抑制は、国の最重要課題のひとつであることは周知のとおりですが、団塊の世代が75歳以上となる2025年には、圧倒的多数の彼らが給付を受ける側にまわるため、社会保障費のバランスが崩れることが危惧されています。いわゆる「2025年問題」です。その最大の山場である2025年への対応として、政府はさまざまな対策を打ち出してきました。2014年に行われた診療報酬の改定は、まさに超高齢社会の先にある2025年に対応すべく設計されたものです。

在宅医療の強化と地域包括ケアシステムの確立を明記し、医療・介護の中心を「病院」から「在宅」に転移させることを明確に方向づける内容でした。
さらにこの年の改定は、薬局調剤の分野にきびしい要求を突きつけました。ジェネリック(後発)医薬品の促進や、24時間の処方せん応需体制など、これまでとは打って変わったシビアさで、調剤薬局業界内では「調剤バッシングが始まった」とも取り沙汰されました。それというのも、診療種類別主要3種である医科・歯科・薬局凋剤のなかで、最も医療費の伸び率が高かったのが、薬局調剤医療費だったからです。